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諫山 明彦; JT-60チーム
Plasma Science and Technology, 8(1), p.36 - 40, 2006/01
被引用回数:4 パーセンタイル:14.62(Physics, Fluids & Plasmas)新古典テアリング不安定性(NTM)は正磁気シアプラズマにおいて理想限界よりも低いベータ領域で発生し、プラズマ性能を制限することから、その抑制手法の確立が急務となっている。JT-60UではNTMの抑制手法として、(1)NTM発生位置への電子サイクロトロン電流駆動/加熱によるNTMの安定化,(2)圧力・電流分布の最適化によるNTMの回避に取り組み、それぞれにおいて重要な知見を得て来た。本講演では、NTMの抑制; 安定化と回避に関してJT-60Uで得られた成果と課題を発表する。NTMの抑制においては、不安定化に働く自発電流項の寄与の減少、または安定化に働く分極電流項の寄与の増大が重要である。NTMを抑制した放電及びNTMが発生した放電の圧力・電流分布の発展をシミュレーションを援用して解析することにより、後者の寄与が大きいことが明らかになった。また、電子サイクロトロン電流駆動によるNTM安定化においては、電子サイクロトロン波のビーム幅,電子サイクロトロン駆動電流密度により安定化効果が大きく変わることを明らかにするとともに、安定化のために要請される電子サイクロトロン波のビーム幅と駆動電流密度の関係を明らかにした。
諫山 明彦; 長崎 百伸*; 井手 俊介; 福田 武司*; 鈴木 隆博; 関 正美; 森山 伸一; 池田 佳隆; JT-60チーム
AIP Conference Proceedings 694, p.321 - 324, 2003/00
高ベータトカマクプラズマにおいては自発電流により新古典テアリングモード(NTM)が発生する可能性がある。NTMは閉じ込め性能を劣化させるので、電子サイクロトロン(EC)加熱/電流駆動により安定化することを考えている。JT-60Uでは、電子温度揺動分布から磁気島中心を実時間で検出しEC電流駆動を行うシステムを開発し、高ベータ領域(, )における新古典テアリングモードを完全に安定化し、ベータ値や閉じ込め改善度を上昇させることに成功した。また,ECをNTM発生前に入射(「早期EC入射」と呼ぶ)したときのNTMの揺動レベル及び成長速度を調べた。その結果、早期EC入射によりNTMの揺動レベルや成長速度が抑えられることが明らかになった。
福田 武司; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(12B), p.B39 - B52, 2002/12
被引用回数:7 パーセンタイル:24.28(Physics, Fluids & Plasmas)ITERの先進定常運転で高い予測性能を実現するため、JT-60における最近の実験では高い閉じ込め性能と定常運転に対して優れた適合性を示す内部輸送障壁の研究を重点的に進めてきた。負磁気シア放電では電子サイクロトロン波電流駆動と蓄積エネルギーの実時間帰還制御(自発電流分布の制御につながる)を組合せてDT換算で約0.8のエネルギー増倍率を0.55秒間維持することに成功した。一方、高プラズマ電流の領域におけるプラズマ断面の三角形度を従来より高くすることにより、高密度領域における閉じ込め性能を顕著に改善するとともに、弱磁気シア放電で規格化値2.5を7秒間維持した。また、最高5.7MWの負イオン源中性粒子加熱装置を用いて1.8MAの非誘導電流駆動に成功した。その他、内部輸送障壁を有する高性能プラズマにおける不純物の輸送,外部摂動を利用した内部輸送障壁の制御性について述べる。
井手 俊介; 鈴木 隆博; 坂本 宜照; 竹永 秀信; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 福田 武司; 鎌田 裕; 白井 浩; 滝塚 知典
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A137 - A142, 2002/05
被引用回数:18 パーセンタイル:50.76(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて、閉込め改善プラズマへの電子加熱の影響を調べる実験を行った。JT-60Uも含めて、これまで多くの中・大型トカマクで見られた閉込め改善モードは、100keV程度のビーム加速電圧のNBI加熱を用いており、入射パワーは主にまずイオンに吸収される。これに対して、核融合炉心プラズマでは粒子による電子加熱が主体となり、このような状況での閉込め改善モードの振る舞いを調べることは重要である。実験では典型的な閉込め改善プラズマである負磁気シア放電を高プラズマをターゲットとし、ECHとビーム加速電圧~350keVの負イオン源を用いたNBI(N-NBI)により電子加熱パワーを増大させた。いずれのプラズマにおいても、電子加熱パワーを増やすことにより中新領域での電子温度とイオン温度の比は1を越え、この領域においても良好な閉込め改善度(H 2.4)を得ることが出来た。しかしながら高プラズマにおいて、電子加熱時にイオン温度の閉込めが減少するのが観測された。発表では、電子加熱時の熱輸送係数の空間的な変化や加熱パワー電子・イオン温度の比等との関連について報告する。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 栗田 源一; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 市毛 尚志; 神永 敦嗣; 加藤 崇; et al.
Proceedings of 19th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE), p.221 - 225, 2002/00
コイルの超伝導化を主体とするJT-60改修の工学的設計研究を行った。JT-60改修の目的は、原型炉の経済性・環境適合性向上を目指した高性能プラズマの定常運転技術、及び低放射化材料の利用技術の確立である。JT-60改修では、定常化運転に向けて高プラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱・粒子制御,ディスラプション制御に関する研究課題が設定された。これを実現するために必要な装置,機器の検討を行った。トカマク放電を長時間(100秒)維持するために必要な超伝導トロイダル磁場コイル(TFC)には、高銅比4のNbAlケーブル・イン・コンジット導体を採用することにより高い電流密度の性能が得られ、コンパクトなTFCの設計を可能にした。また、低放射化フェライト鋼製の安定化バッフル板やリップル低減用フェライト鋼の配置及び直接冷却ダイバータ構造体等を検討した。
Pustovitov, V. D.*; Mikhailovskii, A. B.*; 小林 則幸*; Konovalov, S. V.*; Mukhovatov, V. S.*; Zvonkov, A. V.*
Proceedings of IAEA 18th Fusion Energy Conference (CD-ROM), 5 Pages, 2001/00
新古典型テアリングモード(NTM)はITERプラズマの値を著しく低くする恐れがあるためNTMの安定化が大きな課題である。まず安定化に対する分極電流の効果を調べ、プラズマ中の平衡電界と壁抵抗の結合が強くなければ、分極電流は安定化に寄与することを示した。電子サイクロトロン周波数の高周波をNTMアイランドに入射して電流を流すことにより、NTMの安定化を図る予定である。アイランドが成長する初期の段階(約10cm)で電流駆動を開始することにより、入射電力を18MWまで減らせる可能性があることを示した。この値は現在ITERのECH&CD装置で想定している20MWの入射能力の範囲内にあり有望である。
二宮 博正; JT-60チーム
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.1015 - 1023, 2000/11
被引用回数:1 パーセンタイル:12.08(Nuclear Science & Technology)トカマク炉の定常運転のためには、高い閉じ込め性能、高、高密度、高ブートストラップ電流割合での完全非誘導電流駆動、及びダイバータでの粒子・熱制御の同時達成が必要である。この実現のためにJT-60Uで進められている機器整備及びそれを用いた実験結果について述べる。閉じ込めに関しては、磁気シアの最適化と中性子や磁気エネルギーのフィードバック制御の導入により、核融合エネルギー増倍率Q=1.25を達成するとともに、Q~0.5のプラズマを約1秒間持続することに成功した。また、高い閉じ込め性能、高及び高ブートストラップ電流割合での完全非誘導電流駆動の同時達成に成功した。負イオン源中性粒子入射を用いた電流駆動では、~1.310A/W/mというトカマク炉で必要とする電流駆動効率に近い結果を得た。また、W型ダイバータ実験、ディスラプションの実験でもトカマク炉に向けた重要な成果を得た。
鎌田 裕; 諫山 明彦; 及川 聡洋; 坂本 宜照; 細金 延幸; 竹永 秀信; 草間 義紀; 藤田 隆明; 竹治 智; 小関 隆久; et al.
Nuclear Fusion, 39(11Y), p.1845 - 1853, 1999/11
高ELMy Hモードプラズマによる高総合性能の長時間維持を報告する。W型排気ダイバータへの改造により、高加熱パワー(20-25MW)の長時間(9秒)入射が可能となった。最大加熱エネルギーは203MJに達する。圧力及び電流の空間分布を最適化し、加えてプラズマ断面形状の三角形度を上昇(0.5)することで、高安定性が改善された。プラズマ電流1.5MAでは、等価エネルギー増倍率Q=0.16を4.5秒間維持した。この時、Hファクター2.2、規格化値1.9である。また、全電流の60-70%が非誘導電流駆動されている。低安全係数(q~3)での定常限界も改善され、規格化値2.5~2.7を約3.5秒間維持することができた。これは、ITERの要求を満足する結果である。
石田 真一; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 39(9Y), p.1211 - 1226, 1999/09
被引用回数:40 パーセンタイル:75.08(Physics, Fluids & Plasmas)W型ダイバータへの改造後のJT-60Uにおける高性能化実験に関するレビュー論文である。プラズマ性能は、負磁気シアと高プラズマ領域にて大きく改善された。負磁気シアでは、等価核融合増倍率Qが世界最高値1.25を記録した。定常化に向けてLHとNBを組合せ、負磁気シア配位を保ったまま、内部輸送障壁を6秒間維持した。輸送解析は、内部輸送障壁の近傍で熱・粒子拡散係数が顕著に低下し、強い径電場シアが形成されていることを示した。W型ダイバータの効果として、中性粒子逆流や化学スパッタリング効果の低減を予測通り観測した。N-NBI実験では、駆動電流分布を実験的に評価し、高エネルギービーム入射による電流駆動の理論的予測を実証した。N-NBIはTAEモードを励起したが、高速イオンの損失は顕著ではなかった。定常高性能化を進めた高Hモード実験では、高三角度配位にてQ~0.16を4.5秒間維持することに成功した。
Polevoi, A. R.*; Neudatchin, S.*; 白井 浩; 滝塚 知典
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(2), p.671 - 677, 1998/02
被引用回数:2 パーセンタイル:13.52(Physics, Applied)トカマク等の磁場閉じ込め核融合装置では、加熱パワーは対流熱損失、伝導熱損失及び放射損失によって失われる。この内放射損失はプラズマ外に設置したボロメータによって測定できるが、対流熱損失と伝導熱損失は実験的に分離されていなかった。本研究では中性粒子入射加熱(NBI加熱)停止直後にプラズマへの粒子補給が停止することに伴う、電子密度の減少と電子温度の上昇に着目し、実験データから対流熱損失を評価する手法を初めて開発した。この手法をJT-60Uプラズマに適用し、エネルギー閉じ込めの良好な高Hモードプラズマでは、プラズマ中心領域におけるエネルギー損失の50%以上が対流熱損失によって失われることを明らかにした。
逆井 章; JT-60チーム
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.18 - 25, 1998/00
JT-60Uでは定常トカマク炉の物理基礎の確立及びITER物理R&Dへの貢献を目的として、閉じ込め向上、放射冷却ダイバータ、非誘導電流駆動を中心に研究を進めている。高放電の性能向上により高いブートストラップ電流を誘起し、効果的な定常運転が可能となった。負磁気配位は急勾配な圧力分布に起因する高いブートストラップ電流を産み出すため、先進的定常運転シナリオとして注目される。負磁気シア放電の定常化の課題は崩壊の回避とMHD安定化の描像を明らかにすることである。負イオン源NB入射による電流駆動実験を行い、高い電流駆動効率を得ると共に、完全電流駆動での定常運転を目指す。1997年2月から5月にかけてW型ポンプ付ダイバータへの改造工事を行い、6月から放射冷却ダイバータと高閉じ込め性能との両立を図る実験を行っている。ダイバータ排気により密度制御性能及びダイバータの放射損失を増大させた。
JT-60チーム
JAERI-Research 97-047, 151 Pages, 1997/07
1996年、JT-60Uのプロセス性能は、プロセス形状及び分布制御を最大限に生かすことによって、負磁気シア放電、高pHモード放電、高三角度放電という高閉じ込め領域において格段に改善した。負磁気シア放電において、Q=1.05という等価核融合増倍率を得て、臨界プラズマ条件を達成した。高pHモード放電では、核融合積とイオン温度の世界記録を更新した。高三角度配位の高pHモード放電では安定性が改善し、ITERを模擬した高性能プラズマの維持に成功した。負イオン中性粒子入射(N-NBI)実験は、1996年3月より計画通り開始された。400keV及び2.3MWに達するN-NB入射によって、加熱・電流駆動特性の取得がITERを支援して実施された。負磁気シア放電のへのネオンガス入射によって、高性能プラズマと両立する放射冷却ダイバータの形成に成功した。
石田 真一; 閨谷 譲; 鎌田 裕; 諫山 明彦; 藤田 隆明; 及川 聡洋; 小出 芳彦; 河野 康則; 白井 浩; 小関 隆久; et al.
Fusion Energy 1996, Vol.1, p.315 - 330, 1997/00
JT-60Uにおいて、高イオン温度Hモードと高 Hモードによる高性能実験を実施し、電流領域をそれぞれ、4.5MA(q~2.0)、2.7MA(q~2.5)まで拡大した。高電流低q領域の結果から、核融合性能が最大化するのは、ITERの運転領域であるq~3付近であることを明らかにした。最大の核融合積は、高 Hモードで得られ、世界最高の1.510mskeVに達し、その時のイオン温度は45keVを記録した。高 Hモードでは、分布制御によってITERの要求に近い安定性が得られたが、放電はベータ限界に達し、ディスラプションに至ることがわかった。特に、q~3かそれ以下の領域では、ベータ限界に近い運転において、ELM(Edge Localized Mode)自体がm=3、n=1モードを引き起し、内部モードと結合して、ディスラプションにつながる機構を明らかにした。
福田 武司; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 2(6), p.2249 - 2255, 1995/06
被引用回数:11 パーセンタイル:46.34(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60における最近の準定常高性能化を目指した実験では、再現性の高い放電で昨年世界最高を記録した最高核融合積を更新するとともに、最高値の約4割の性能を1.5秒間維持することに成功した。これは加熱分布と平衡配位の動的な制御、圧力勾配に起因する不安定性の抑制を行ったことによる。高性能化の第1の鍵となる内部輸送障壁の生成に関しては、加熱分布とトロイダル回転分布の影響を重点的に調べた。また、第2の鍵であるH-モード遷移については、イオンの衝突度の役割を明らかにすとともに長波長の乱流流揺動が低減することを初めて実験的に示した。準定常化の鍵となる圧力勾配に起因する不安定性の抑制に関しては、磁気シアーとトロイダル回転速度分布の制御が有効であることを示した。また、これらの知見に基づいて行った自発電流の割合が高いプロセスの長時間維持に成功したので、この実験結果についても述べる。
白井 浩
プラズマ・核融合学会誌, 71(3), p.223 - 229, 1995/03
TFTRのDT実験においてスーパーショットプラズマ及び高pプラズマの熱、粒子輸送が輸送コードTRANSPを用いて解析された。スーパーショットではDプラズマ(重水素プラズマ)とDTプラズマ(重水素・三重水素混合プラズマ)の比較の結果、エネルギー閉じ込め特性及び熱・粒子輸送係数の平均水素質量〈A〉に対する強い依存性が得られた。即ち全蓄積エネルギーW〈A〉、熱化蓄積エネルギーW〈A〉、イオン熱拡散係数i〈A〉,電子の粒子拡散係数De〈A〉等である。高p放電ではHモード遷移時においてDTプラズマの方がDプラズマと比較するとiの減少が大きく、エネルギー閉じ込め改善度が大きく、更に周辺局在モードが発生する時刻も遅かった。しかしながら輸送と密接な関係がある密度揺動の強度は、DプラズマとDTプラズマでは大差がなかった。
竹治 智; 鎌田 裕; 小関 隆久; 石田 真一; 滝塚 知典; 閨谷 譲; 徳田 伸二; JT-60チーム
22nd European Physical Society Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics,Vol. 19C,Part IV, 0, p.4.033 - 4.036, 1995/00
JT-60Uにおいて世界最高の核融合積を達成した高ポロイダルベータ(p)Hモードは、高pモードとHモードの両方の閉じ込め特性の長所を合わせもつ。高p放電では、局所的なMHD崩壊(ミニコラプス)によるプラズマ周辺部での圧力上昇によってpコラプスが回避され、高p Hモードへと誘導される場合がよく観測されている。そこで、本研究では、ミニコラプスに着目し、そのMHD特性を明らかにすることを目的とした。実験解析の結果、ミニコラプスは高pモード時に生じる輸送障壁の形成後に起こり、その発生位置は輸送障壁の形成位置と一致することが分かった。不安定性の成長時間は理想MHDの時間スケールである。そして、理想MHD安定性解析の結果、輸送障壁の発生に伴って形成される急峻な圧力勾配に対して、バルーニングモードが不安定となることが示された。
白井 浩; 滝塚 知典; 菊池 満; 森 雅博; 西谷 健夫; 石田 真一; 鎌田 裕; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 小出 芳彦; et al.
IAEA-CN-60/A2-17, 0, p.355 - 364, 1995/00
JT-60のジュール加熱及び中性粒子入射(NBI)加熱プラズマのデータを用い、無次元変数の関数形で蓄積エネルギーの熱化成分の比例則を確立した。その結果熱輸送比例則はボーム則とジャイロボーム則の中間になった。局所熱輸送解析の結果から、Lモードプラズマにおけるイオンの熱拡散係数はプラズマ電流、吸収パワーに強く依存し、電子の熱拡散係数はこれらにはほとんど依存しなかった。高モードプラズマにおけるエネルギー閉じ込め時間の改善はイオン熱拡散係数の軽減によるもので、電子の熱拡散係数はLモードプラズマと同程度だった。高モードプラズマにおいてNBI加熱中での蓄積エネルギーの熱化成分の改善(Lモードプラズマの蓄積エネルギー比例則との比較)は、最初はプラズマ中心部で、次にプラズマ周辺部で起こる。
森 雅博; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 36(SUPPL 12B), p.B181 - B191, 1994/12
被引用回数:5 パーセンタイル:20.48(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでは、高閉じ込め状態を定常維持する制御技術の開発・実証を目的として実験研究を進めている。閉じ込め性能の改善に関しては、プラズマ内部で閉じ込め改善のある高モードと周辺部で改善のあるHモードを重畳して、プラズマ全体にわたって閉じ込め改善がある高Hモードを実現し、世界最高の核融合積を達成した。本発表では、この高Hモードの閉じ込め改善機構に関する最近の研究進展、このモードの制御法、ELMを利用した密度制御の最適化による定常運転に関する成果、核融合炉で問題となるHe灰の制御性、Hモードとの関係等について報告する。このような高閉じ込め状態を定常維持するためには、非誘導電流駆動による電流分布の定常制御、放射冷却ダイバータによる熱制御、粒子制御が重要であり、この研究に関する最近の成果を報告する。合わせて、今後の研究計画の紹介を行なう。
竹内 浩; JT-60チーム
日本原子力学会誌, 35(6), p.501 - 509, 1993/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)JT-60は、プラズマ性能の向上のために、プラズマ電流体積及び加熱入力の増大を図った改造工事を昭和63年秋に開始し、平成3年3月に終了して、JT-60Uとして直ちに実験を開始した。これと並行して、重水素放電に必要な諸施設の整備を行なった。実験開始からこれまで、Hモード及び高モードを中心とした閉じ込め性能の向上に重点を置いた重水素加熱実験を実施して来た。平成4年10月末現在における最高性能は、中性子発生量:2.810個/秒、イオン温度:38KeV(世界最高)、核融合積:~4.410m・sec・KeVに達した。また、ダイバータにおける遠隔放射冷却、熱流束の経験則、核融合反応生成物の評価、トロイダル磁場による粒子損失非誘導電流駆動、ディスラプション制御等の研究を進め、炉心プラズマの開発に有用なデータを蓄積した。
二宮 博正; 鎌田 裕; 宮 直之; 中島 信治*; 小栗 滋*; 及川 晃; 逆井 章; 高橋 良和; 滝塚 知典; 豊島 昇; et al.
15th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering,Vol. 1, 0, p.374 - 377, 1993/00
JT-60の既存設備を最大限に活用して、実験炉(ITER)を補完し、かつ実験炉以降を目指す先進的な研究開発を進め、実験炉や将来の定常核融合炉の実現に関する総合的な見通しを得る目的で定常炉心実験装置(JT-60 Super Upgrade)の検討を進めている。高効率電流駆動、ダイバータプラズマの制御、高炉心の実現とその制御等を炉心プラズマ技術の主要課題としている。また、炉工学技術の開発としては、超電導コイルの導入による長時間運転や高耐熱性材料の導入による熱・粒子制御を、更に工学安全に関する研究を進める。これらの検討の概要について報告する。